三菱ふそうトラック・バス株式会社(FUSO)様は、サービス分析の高度化に向けて、DSC(デジタルサービスセンター)システムのジョブカード進捗や、顧客対応・財務に関するデータを一元的に可視化する必要がありました。既存のDSCにはサービス進捗(特に未完了のジョブカード)を監視する仕組みがなく、Cubastionは Salesforce(Apex/LWC)上に「Centre of Competence(CoC)ポータル」 を構築。Azure Service Busを介してDSCと安全に連携し、サービスデータからの分析と意思決定を変革しました。
Challenge
可視化されない、サービスの実態
事業・技術の両面で生じていた課題をご紹介します。
本質的な課題は、データが存在しないことではなく、サービスの進捗や状態を体系的に可視化し、迅速な判断につなげられないこと にありました。
ビジネス面の課題
未完了ジョブカードを含むサービス進捗を監視する仕組みの不在
顧客フィードバック・苦情・サービスチケットを管理するプラットフォームの欠如
関心領域・遅延・要対応箇所を可視化できず、対応が後手に
予知保全・財務分析に向けた高度なデータ可視化の不足
技術面の課題
DSCのジョブカードデータを体系的に追跡・可視化する手段の不在
DSC連携がインターネット経由で行われ、安全な統合方式が必要
ジョブカード・チケット・既存支援を束ねる使いやすい分析UIの不足
既存のGraphQL APIを直接公開せずに安全連携する 必要性
Solution
Salesforce上に構築したサービス分析ポータル
提供した可視化・分析機能をご紹介します。
Salesforceの標準(バニラ)機能の枠を超え、可視性・分析・意思決定を高めるシンプルで実用的なダッシュボードを設計しました。
アップタイム・トラッキング :DSCのジョブカード(eCanter車両)と連携し、開始・終了時刻や平均解決時間などを稼働中・完了の両面で監視
データ可視化・分析ダッシュボード :車両保守・サービスのKPIを、フィルタ・ソート・検索(クエリ機能)で多面的に把握
デジタルサービスサポート(DSS) :フィードバック・チケット・問い合わせを集約する中央ハブ。KPI監視ダッシュボードでCoCエージェントが起票・管理
マルチサービス統合分析 :CSC・CAC・24時間ロードサイド・財務支援のデータ取り込み構造と分析ダッシュボードを設計し、横断的な業務分析を実現
ロールベースのアクセス制御 :権限セット上の動的なCRUDで、役割に応じた可視範囲と操作権限を付与
Architecture
SalesforceとDSCを安全につなぐ統合設計
既存システムを直接公開せず、安全に連携する設計です。
既存のGraphQL APIを直接公開するセキュリティ上の懸念から、Azure Service Busを中間APIゲートウェイ として採用し、Salesforce(CoC)とDSC間の安全なデータ転送を実現しました。
2つのキュー構成 :DSC→CoCキューとCoC→DSCキューを分離して競合を回避し、送受信権限を個別に設定
JSONイベントメッセージ :双方向の同期と互換性を担保し、いずれかのシステムでの変更を他方へ即時通知
Salesforceオブジェクトへのマッピング :取得したメッセージを処理・格納し、データの一貫性を維持
セキュアなデータ転送 :API直接公開を避け、中間ゲートウェイ経由で安全性と整合性を両立
Capabilities
この事例で実証された提供価値
お客様がCubastionと取り組める領域の一例です。
本プロジェクトを通じて、以下の専門領域における実装力を実証しました。
統合アーキテクチャの設計・実装 :Azure Service Busにより、異なるシステム間で安全かつ効率的なデータ転送を実現
カスタムダッシュボード開発 :LWCとApexでSalesforceの標準機能を超えた、洞察に富むUIとUXを構築
セキュアなアクセスガバナンス :ロールベースの権限管理とアラート機構で、データセキュリティと運用統制を強化
CoCポータルにより、サービスデータの可視化・分析・意思決定が大きく前進しました。本事例で確認された主な効果は次のとおりです。
メールエスカレーションのトリガーと集約された連携によるコミュニケーションの迅速化と的確な課題解決
Azure Service Bus・ロールベースアクセス制御・権限管理・アラート機構によるシステムセキュリティの強化
使いやすいUIと整理された導線によるユーザーの生産性と運用効率の向上
アップタイム監視からロードサイド対応まで、サービス全体をまたぐ一元的な可視性