三菱ふそうトラック・バス株式会社(FUSO、ダイムラー・トラックアジア傘下)様は、165拠点・月間90,000件規模のジョブカードを扱うアフターサービスの中核として、ディーラーサービスセンター(DSC)アプリケーションを運用していました。しかし、頻発するエラーや使いにくいUI、DSCとFORCEへの二重入力により採用が伸び悩み、投資対効果が課題となっていました。Cubastionは、技術強化・リアルタイム連携・AMSを組み合わせてDSCを刷新し、実用的でユーザー中心の基盤へと生まれ変わらせました。
Challenge
使われないアプリと、未達のROI
事業・技術の両面で生じていた課題をご紹介します。
本質的な課題は機能の不在ではなく、二重入力と不安定さがもたらす「使われない」状態にありました。
ビジネス面の課題
- サービスセンター・ディーラー・本部間の連携の分断とボトルネック
- 複雑なUIと機能不足による低い採用率(ユーザーの抵抗)
- DSCとFORCEへの二重入力による工数の浪費とアプリの放棄
- 手作業の追跡・更新遅延による業務遅延と顧客満足の低下
- 低稼働による投資対効果(ROI)の未達
技術面の課題
- アーキテクチャ上の欠陥に起因するシステムエラーとクラッシュの頻発
- 非効率なAPI呼び出しとクエリ最適化不足によるデータ遅延
- DSC↔FORCE間のリアルタイム同期の欠如(手作業交換による不整合)
- 複雑なナビゲーションと遅い読込による低いUX
- 変更要求・障害の解決の遅さ
Solution
技術強化・連携・AMSによるDSCの再生
提供したソリューションの中核をご紹介します。
CubastionはDevOpsを軸に、変更要求(CR)対応とAMSの両面からDSCを刷新しました。
- コード最適化と性能チューニング:クエリ・メモリ・API呼び出しを最適化し、ページ読込を大幅に短縮
- UI/UXの近代化:React+Redux Toolkitで応答性の高いUIへ刷新し、直感的なナビゲーションを実現
- 自動リアルタイム連携:レガシーDenodoを廃し、DSC↔FORCEの二重入力を解消する自動同期を構築
- イベント駆動の同期:イベント駆動エンジンでデータ遅延をミリ秒単位に短縮し、リアルタイムの正確性を担保
- 能動的なエラー管理:15件超の再発エラーを解消し、予防的なエラーハンドリングを導入
- AMS(P1–P4・RCA・監視):優先度別チケット管理、RCA文書化、リアルタイム監視、デイリー・サニティチェック、15日CR解決枠を提供
Architecture
モダンスタックによる堅牢でスケーラブルな構成
性能と拡張性を両立する設計です。
DSCは、クラウドネイティブな構成と自動化されたデリバリーで、安定性と拡張性を担保しました。
- クラウド基盤:Azure Kubernetes Service上で運用し、OpenIDC認証、PostgreSQL・Redisでデータを管理
- フロントエンド:React(TypeScript)+Redux Toolkitで応答性の高いUIを構築し、Jest・Cypressで品質を担保
- バックエンド:Java 8 EE/Tomcat 9上でREST・GraphQL APIを提供し、Hibernate ORMで効率的なデータ管理を実現
- CI/CD:GitHub Actionsによる自動化パイプラインで、迅速かつ確実なリリースを実現
Capabilities
この事例で実証された提供価値
お客様がCubastionと取り組める領域の一例です。
本プロジェクトを通じて、以下の専門領域における実装力を実証しました。
- アプリケーション近代化:UI/UX刷新・性能チューニング・コード最適化でレガシーを再生
- DevOpsとAMSの実践:構造化されたDevOps、P1–P4チケット管理、RCA、デイリー・サニティチェックを提供
- スケーラブルなアーキテクチャ:React・Java・Azure・GraphQLで性能と拡張性を両立
Cubastionの介入により、DSCは「使われないアプリ」から、FUSO様のディーラー業務に不可欠な基盤へと変わりました。本事例で確認された主な効果は次のとおりです。
- ページ読込を6–8秒から1–2秒へ短縮し性能を90%改善、1日あたり5,000件超の追加トランザクションを実現
- 同時接続ユーザーを100人から3,000人(30倍)へ拡大
- 月間ジョブカード処理を1,000件から75,000件(約7,400%増)へ拡大
- RCAの強化により再発リクエストを40%削減し、サービス解決時間も短縮
- 自動化された連携・承認によりコミュニケーション遅延を70%削減
- エラー率を90%超削減し、ユーザーの信頼と定着を回復