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計画をつくるのは、AI。決めるのは、人。

多品種小ロット化、短納期化、設備と人のキャパシティ、そして日々発生する変更——生産計画で考慮すべき条件は増え続けています。その膨大な組み合わせの計算をAIが引き受け、「なぜその計画になったのか」を根拠とともに提示する。担当者は内容を確認し、必要なら調整し、最後に承認する。Cubastionは、属人化した生産計画の立案を、判断の主導権を現場に残したまま自動化します。

「あの人にしか、作れない計画」

多くの製造現場で、生産計画はExcelとガントチャートの手作業で組まれています。設備の空き、工程の順序、金型や治具の適合、納期、シフト——それらを頭のなかで突き合わせながら、一枚の計画表に落とし込む。長年その仕事を担ってきた担当者だからこそできる作業です。しかし裏を返せば、その人が不在のあいだ、計画は止まります。設備が一台停まった、特急品が入った、納期が前倒しになった——変更が起きるたびに、計画は最初から組み直しになります。これは、規模を問わず多くの製造業が抱えている構造的な課題です。

制約条件を考慮して自動生成された生産スケジュールのイメージ

データはある。だが、計画は人の頭のなかにある。

66.0%

製造プロセスで何らかの目的でデータを取得している事業者

43.9%

そのデータを活用して成果を得られている事業者

経済産業省ほか「2026年版ものづくり白書」によれば、製造プロセスにおいて何らかの目的でデータを取得している事業者は7割弱(66.0%)にのぼります。しかし、そのデータを活用して実際に成果を得られている事業者は約4割(43.9%)にとどまります。データは集まっている。けれども、それが日々の判断を変えるところまでは届いていない——これが、多くの製造現場の現在地です。

同白書はまた、技術・技能の継承にあたっての課題として、6割弱の事業者が「ベテラン等の知識や経験等の形式知化が難しい」を挙げていると報告しています。生産計画は、まさにその形式知化が難しい領域の代表です。設備ごとの癖、客先ごとの事情、無理のきく工程とそうでない工程——判断の根拠が担当者の経験のなかにあるために、仕組みへ移し替えられないまま残り続けています。

出典:経済産業省・厚生労働省・文部科学省「2026年版ものづくり白書」図1・図3-3-20

生産計画の自動化が、これまで進まなかった4つの理由

生産計画の自動化は、決して新しい発想ではありません。それでも手作業が残り続けているのには、理由があります。

制約条件の組み合わせが多すぎる

設備との適合、段取り替え、工程の前後関係、納期、シフト、外注、賞味期限や検査待機——現実の制約を同時に満たす組み合わせは天文学的な数になります。人が総当たりで最適解を探すことは、そもそも不可能です。

計画は、つくった瞬間から古くなる

設備停止、特急品、納期変更、前日実績のズレ。計画の価値は「変更にどれだけ速く追従できるか」で決まりますが、手作業では組み直しに数時間を要し、その間に現場はさらに動いています。

「なぜその答えなのか」が分からないと、現場は使わない

過去にAIツールを導入したものの、算出の根拠が示されずブラックボックスのまま終わった——という経験を持つ企業は少なくありません。根拠が見えない計画は、責任を持って現場に流すことができません。

判断のすべてを、機械に渡すことはできない

「この客先は今月は絶対に落とせない」「この設備は無理をさせたくない」——計画には、数値化しきれない現場の判断が含まれます。全自動化を前提にした仕組みは、この現実と衝突します。

計算・説明・承認を分ける、3層のアプローチ

Cubastionの生産計画・スケジューリング最適化(APS)は、役割の異なる3つの層で構成されます。「計算」「説明」「判断」を分けることが、この設計の要点です。

① 最適化エンジン — 制約を満たす計画を、数理最適化で算出する

設備適合・キャパシティ・工程の前後関係・納期・シフトといった制約条件をモデル化し、納期遅れの最小化などの目的に沿った実行可能な計画を算出します。エンジンには、Googleが公開する数理最適化ソルバー OR-Tools(CP-SAT) を採用しています。統計的な予測モデルとは異なり、制約最適化は「どの制約を満たし、何を優先した結果その順序になったのか」を明示できる——説明可能性が構造的に担保された方式です。

② AIコパイロット — 計画を、日本語で説明する

算出された計画について、「なぜこの順序なのか」「この設備を止めたらどうなるか」といった問いに、生成AIが平易な日本語で回答します。納期リスクや競合を検知した際は、具体的な代替案を根拠とともに提示します。コパイロットの役割は助言までで、計画を書き換える権限は持ちません。

③ 人による承認 — AIは提案し、人が決める

基幹システムへの反映は、担当者が変更内容を確認し、明示的に承認したときにだけ行われます。基幹システムは引き続き正としてのデータの所在であり続け、すべての変更は理由とともに記録されます。

最適化エンジン・AIコパイロット・人による承認の3層構成図

基幹システムへの反映は、担当者の承認を経て行われます。

「人が主導権を持つ」を、6つの確認ポイントで担保する

「人が判断する」は、方針を掲げるだけでは実現しません。Cubastionは、計画が生まれてから基幹システムに反映されるまでの各段階に、担当者の確認ポイントを設けています。

生産計画の立案から承認までの6つの確認ポイント
  1. 1取り込みの確認:基幹システムから受注・工程・納期・設備情報を取得し、対象範囲と期間を担当者が確認します。無断で取り込みを進めることはありません。
  2. 2立案結果の確認:算出された計画を、順序・KPI・検知されたリスクとあわせて提示します。この時点では、あくまで「案」です。
  3. 3競合とAI提案の確認:設備停止や納期リスクが発生した際、コパイロットが検知し代替案を根拠つきで提示します。採用するかどうかは担当者が決めます。
  4. 4手動変更の確認:担当者が工程や納期を直接変更した場合、エンジンが適合性・キャパシティ・納期を再検証し、新たに生じた競合を提示します。変更理由は記録されます。
  5. 5シナリオ比較の確認:コスト・残業・納期のトレードオフを複数案として並べ、比較したうえで選択します。
  6. 6承認と反映の確認:基幹システムへの書き戻し前に、現行計画との差分を提示し、担当者の承認をもって反映します。監査証跡が自動生成されます。

計画の方針は、担当者がダイヤルで動かせる

生産計画の精度と納得感を左右するのは、「何を優先するか」というパラメータです。Cubastionのアプローチでは、この優先度を専門知識なしに扱えるダイヤルとして担当者に開放します。納期遵守を強めるのか、設備稼働率を取るのか、段取り替えを減らすのか、夜勤・休日稼働をどこまで使うのか——方針を変えて再計算すれば、納期遅れ・稼働率・段取り回数がどう動くかが即座に比較できます。AIに任せきりにするのではなく、担当者が方針を握ったまま計画を仕上げていく仕組みです。

計画方針のパラメータを担当者が調整し再計算する画面123
※画面はイメージです。数値はサンプルです。
  1. 1方針は担当者がダイヤルで調整
  2. 2再計算は即時
  3. 3改善する指標と、悪化する指標の両方が見える

現場の「実際の制約」を、モデルに載せる

最適化の価値は、ソルバーの性能ではなく、現場の制約をどれだけ正確にモデル化できるかで決まります。Cubastionは、以下のような制約を扱います。

設備・工程
設備との適合金型・治具の段取り替え時間工程の前後関係ボトルネック工程への集中外注工程の組み込み
時間・キャパシティ
通常勤務・夜勤・休日稼働によるキャパシティ変動繁忙期と閑散期の変動設備メンテナンス枠
品目・ロット
多品種小ロットロットまとめと分割SKU別の割り振り製品ごとの製造条件
納期・優先度
確定納期と目標納期の区別特急品の優先客先別の優先度
業種固有の条件
賞味期限と出荷可能残日数の基準検査・養生の待機期間原材料の調達タイミング

これらの制約を満たした結果が、設備ごとの一本の生産スケジュールとして提示されます。

※ 横にスクロールしてご覧ください。

計画メニューと設備別生産スケジュールを表示する画面1234
※画面はイメージです。数値はサンプルです。
  1. 1制約を満たした順序が自動で決まる
  2. 2夜勤・休日稼働をキャパシティとして考慮
  3. 3納期リスクを検知して表示
  4. 4ボトルネック工程への負荷集中が一目で分かる

Cubastionのアプローチと実績

  • PoCから始める:いきなり全工程を対象にする必要はありません。まずボトルネックとなっている工程に絞り、お客様の実データで制約のモデル化と算出精度を検証します。生産計画の自動化は、ソルバーの導入よりも「現場の制約を正しく写し取ること」に労力の大半がかかります。だからこそ、小さく確かめてから広げます。
  • 既存システムを活かす:基幹システムや進捗管理システムを入れ替える必要はありません。既存システムからのデータ取得と、計画結果の反映を連携層として構築し、現在の業務の流れを保ったまま導入します。
  • 説明できる形で渡す:算出のロジック、適用した制約、優先度の設定——計画の根拠を担当者が確認できる形で提示します。運用のなかで現場の判断を取り込み、モデルを育てていくことを前提とした設計です。

Cubastionは、制約条件下でのスケジューリングと大規模なシステム間データ連携を中核領域としてきました。三菱ふそうトラック・バス様向けのDigital Service Center(DSC)では、人員・整備ベイ・予定を制約条件のもとで調整するスケジューリング機能を構築し、165拠点・月間9万件規模の業務を支える基盤を運用しています。またHyundai様向けには、6つのシステムに分散した8,500万件以上のデータを統合しました。生産計画・スケジューリング最適化のプラットフォームは、これらの知見を土台に構築し、プロトタイプによる検証を進めている領域です。2006年の創業以来、400件以上のプロジェクトをすべて納期内に完遂してきました。横浜拠点の日本語対応専任チームが、制約の整理からPoC、導入後の改善まで一貫して担当します。

手作業による計画立案から自動立案への移行イメージ

まずは、いまの計画業務の「制約」を書き出すことから。

生産計画の自動化は、ツールを選ぶことから始まるものではありません。Cubastionでは、いま計画を立てるときに担当者が何を見て、何を天秤にかけているのかを一緒に書き出し、自動化できる範囲と、人が判断すべき範囲を切り分けるところから始めます。まずは、「あの人にしか作れない」と感じている計画業務からお聞かせください。

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