インド職員選抜委員会(Staff Selection Commission:SSC)様は、政府職員採用のための大規模競争試験を実施する、国家的に重要な機関です。毎年数百万人の受験者が参加するため、セキュリティ・公平性・正確性が決定的に重要となります。本プロジェクトでは、Computer-Based Assessment Transformation(CAT)構想のもと、単一ベンダー依存・レガシー・透明性リスクを克服し、試験ライフサイクル全体にわたって機関としての統制・透明性・試験の完全性を回復することを目指しました。
Challenge
単一ベンダー依存が脅かす、試験の完全性
本プロジェクトで解決すべき課題をご紹介します。
作問から試験実施までを単一ベンダーが掌握する構造が、統制・匿名性・監査・可視性のすべてにリスクをもたらしていました。
- 単一ベンダー依存:外部1社が作問から試験実施まで全ライフサイクルを掌握し、可視性の欠如・統制の弱さ・高い運用リスクを招いていた
- 試験内容に対する統制の喪失:設問の品質・難易度・準備状況を独自に評価できず、試験計画がベンダー入力に依存
- 設問漏洩の高リスク:同一ベンダーが作問・組版・解答把握・実施までを担い、匿名性が損なわれ漏洩リスクが増大
- 脆弱で実効性に欠ける監査:内容を露出させずに強い統制を効かせる監査が難しく、低品質・改ざんされた設問が通過する恐れ
- リスクの高い試験当日配信:所定のシフト・時刻への正確な配信が必須で、わずかな時刻ずれや早期アクセスが全国の試験シフトを無効化しかねない
- 大規模なアクセス管理と機密保持:数百の機関・数千の利用者を役割・権限に応じて統制し、試験前まで設問を非公開に保つ必要
Solution
4つのプラットフォームによるエンドツーエンド基盤
SSC の RFP に厳密に沿い、現場ニーズに合わせて継続的に精緻化したソリューションです。
責任を独立したシステムに分離した、包括的なマルチプラットフォーム・エコシステムを構築しました。
- CMM(コンテンツ管理・監視):試験運用を統括する中央ガバナンスプラットフォーム
- CAF(コンテンツ作成フレームワーク):マルチロールでの作問とコンテンツ精緻化を実現
- AuditHub:安全で独立した監査環境により、内容を露出させずに統制を担保
- ERA(試験当日配信):暗号化され時間管理された、試験当日の確実な配信
- これら4基盤が連携し、コンテンツ作成・品質保証・試験実施を国家規模で支えるエンドツーエンドのデジタル基盤を提供
運用モデルの転換により、SSC は試験運用の統制・透明性・完全性を取り戻しました。本事例で確認された主な効果は次のとおりです。
- 運用モデルの転換:ベンダー主導から SSC 主導へ。作問・ガバナンス・監査・試験当日配信を独立システムに分離した分散型の運用モデルを確立
- 経営層による統制:設問の準備状況・監査状況・試験準備度をリアルタイムに把握し、ベンダーの保証ではなく実際の準備状況に基づいて試験を計画。オンデマンドかつ複数試験の並行実施が可能に
- リスクの排除:すべての設問を暗号化し、SSC を含む誰もアクセスできない完全な匿名性を確保し、漏洩リスクと信頼毀損を防止