インドの黄麻長官府(Office of the Jute Commissioner)様は、黄麻産業の秩序ある発展と振興を担い、B-Twill 麻袋(穀物包装用の黄麻袋)の調達・供給を Jute Smart システムで管理しています。本プロジェクトでは、近代的なセキュリティ・認証・運用要件を満たすため、ERPNext と Frappe フレームワークを基盤とする大規模な調達・業務プラットフォーム「Jute Smart 2.0」を構築。多数の関係者を横断する調達ライフサイクル全体を、完全ペーパーレスで電子化しました。
Challenge
大規模な公共調達を、完全に電子化する
本プロジェクトで解決すべき課題をご紹介します。
旧 Jute Smart は、技術・業務プロセス・セキュリティ・連携・紙運用のいずれにも課題を抱えていました。
- 技術的な制約:近代的なセキュリティ・認証・運用要件を満たすための大幅なアップグレードが必要
- 非効率な業務プロセス:効率向上と新たなデジタルワークフロー統合に向けた業務再設計(BPR)が必要
- セキュリティ:多要素認証・e-Sign・デジタル署名による安全な取引の確保
- 限定的な連携:州調達機関(SPA)・鉄道物流・銀行など多様な関係者との統合が不足
- 紙ベースの運用:IT 規制に準拠した完全ペーパーレス環境への移行が重要目標
Solution
ERPNext・Frappe で調達ライフサイクルを統合
提供したソリューションの中核をご紹介します。
ERPNext と Frappe フレームワークを基盤に、発注から支払までの一連の業務を単一プラットフォーム上で電子化しました。
- 調達ライフサイクルの電子化:ユーザー登録・インデント作成(発注)・価格算定・生産供給命令(PCSO)・検査承認・出荷配送・品質クレーム・支払処理までを一気通貫で電子化
- 在庫・倉庫・返品管理:倉庫(godown)在庫管理、返品・払い戻し管理、クレーム対応を業務フローに統合
- セキュアな認証と決済:CDAC e-Sign・デジタル署名(DSC)・多要素認証により取引の真正性を担保し、暗号化された決済処理を実現
- 外部システム連携:鉄道(FOIS)・CONCOR・主要銀行(HDFC・SBI・PNB・IndusInd・Bank of Baroda)と REST API で連携し、出荷指示・GST 請求・運送状・支払確認をリアルタイムに同期。出荷確認後に90%、所定期間後に残り10%の支払を承認
- 業務ダッシュボード:インデント・検査・クレームなどの主要指標を可視化し、進捗・遅延・承認待ちを即座に把握
Architecture
ERPNext/Frappe を中核としたモジュラー基盤
システム構成の要点をご紹介します。
ERPNext/Frappe のモジュール構成を活かし、役割ごとのワークフローを安全に提供します。
- アプリケーション基盤:ERPNext と Frappe フレームワーク(Python)を中核に、MariaDB と Redis をデータ層として活用
- 多様なユーザー層:州調達機関(SPA)、黄麻工場、検査機関、荷受人(Consignee)、インド黄麻公社(JCI)など、役割ごとのワークフローとアクセス制御を提供
- Web とモバイル:Web アプリに加え、検査員が Android/iOS アプリで現場検査と報告を実施
- 連携フレームワーク:REST API により銀行・鉄道・物流など外部システムと疎結合に統合
Jute Smart 2.0 により、黄麻長官府は調達業務を安全かつ透明に電子化しました。本事例で確認された主な効果は次のとおりです。
- 完全ペーパーレス化:発注から支払までの調達ライフサイクル全体を電子化し、IT 規制に準拠した運用を実現
- セキュアな取引:CDAC e-Sign・デジタル署名・多要素認証により、取引の真正性と安全性を確保
- 関係者横断の連携:SPA・黄麻工場・検査機関・荷受人・JCI・鉄道・CONCOR・銀行をひとつのプラットフォーム上で連携
- 透明性と統制の向上:ダッシュボードによる可視化と段階的な支払承認により、調達プロセスの透明性と統制を強化