三菱ふそうトラック・バス株式会社(MFTBC)様は、ダイムラー・トラックAG傘下の商用車のグローバルリーダーであり、170以上の市場で事業を展開しています。FUSOのディーラー網は直営の販売センター(SC)と独立系の正規ディーラー(FDP)から成りますが、FDPは40年来のレガシー「M-Ban(CENTRAGE II)」に依存し、SCの統一基盤との間に大きな隔たりがありました。Cubastionは、先行するFORCE SC実装の知見を活かし、Oracle SiebelをMicrosoft Azure上に展開するクラウド型DMS「FORCE FDP」を構築。業務を中断させることなく、ディーラー業務を標準化・近代化しました。
Challenge
40年来のレガシーが阻む、標準化と成長
事業・技術の両面で生じていた課題をご紹介します。
M-Banへの依存は、手作業・紙ベースの処理、貧弱なUI/UX、連携の制約、拡張性の限界、セキュリティ上の懸念を生み、2028年にはサポート終了が見込まれていました。
ビジネス面の課題
- 標準プロセスの欠如によるFDP間で不揃いな業務と顧客体験
- 手作業中心の処理による遅延とリソースの浪費
- リアルタイムデータの不足による意思決定の遅れ
- 拡張性の限界による事業成長の停滞
- レガシー維持に伴う運用コストの増大
技術面の課題
- 新しいSiebel CRMと既存レガシーシステムの統合
- M-BanからSiebelへの正確かつ完全なデータ移行(重複顧客はファジーマッチングでゴールデンレコード化)
- 中核機能を損なわないカスタマイズの実装
- オンプレミスからクラウド基盤への移行
- 大量データ移行に伴う性能リスク(複数回の移行リハーサルで対応)
Solution
Oracle SiebelとAzureによるDMSの全面刷新
提供したソリューションの中核をご紹介します。
Cubastionは、ディーラー管理システムを包括的に刷新し、効率・コンプライアンス・顧客体験を高めました。
- 新DMS(Oracle Siebel):M-Banを、拡張性に優れたエンタープライズCRMへ刷新
- クラウド展開(Microsoft Azure):SiebelをDocker/KubernetesでAzureに展開し、拡張性・性能・コスト効率を確保
- マルチテナント・アーキテクチャ:アプリごとにAzureサブスクリプションを分離し、セキュリティとリソース管理を最適化
- 統一APIゲートウェイ:Daimler Truck API管理基盤を介し、外部パートナーと安全・シームレスにデータ連携
- コードの統一:SCとFDPでコードベースを標準化し、保守と展開を効率化
- 主要プロセスの自動化:サニティテスト・Azureアラート・ログ管理などを自動化し、効率と信頼性を向上
Architecture
Azure上のスケーラブルなクラウドネイティブ構成
拡張性・可用性・コスト効率を両立する設計です。
クラウド型Siebel展開は、最新のクラウド技術を用いて拡張性・高可用性・コスト効率を実現するよう設計しました。
- コンテナ化したSiebelサーバー:Azure Kubernetes Service(AKS)上にPodとして展開し、自動スケール・高可用性・ロードバランシングを実現
- セキュアなトラフィック管理:Application GatewayとWAFで受発信トラフィックを保護
- 専用VMによる分離:Database・ODI・BIP・Canonなどの重要サービスを分離し、性能とアイソレーションを確保
- 永続ストレージ:SiebelファイルシステムにNFSを用い、Pod間で一貫したデータアクセスを担保
- コスト最適化:リザーブドインスタンスで性能を保ちつつコストを最適化
Capabilities
この事例で実証された提供価値
お客様がCubastionと取り組める領域の一例です。
本プロジェクトを通じて、以下の専門領域における実装力を実証しました。
- レガシーからクラウドへのDMS刷新:Oracle SiebelをAzureに展開し、業務無停止で40年来のレガシーを近代化
- 大規模データ移行とシステム統合:15以上の外部システムを安全に連携し、移行時のデータ品質を担保
- クラウドネイティブな拡張性とガバナンス:マルチテナント構成と自動化で、拡張性・セキュリティ・コスト効率を両立
FORCE FDPはMFTBC様の期待を超えて完遂し、効率・標準化・拡張性の各面で測定可能な成果をもたらしました。本事例で確認された主な効果は次のとおりです。
- クラウド移行によりFDPの計算リソースを50%削減
- サニティテストの自動化で検証時間を66%短縮、承認ワークフローの自動化で承認ステップを25%削減
- プロセス標準化により帳票タイプを52%削減、印刷コストを35%削減(10万件超を1件5秒未満で処理)
- Wave 2-3では移行時のデータ不具合を60%削減し、業務無停止で移行を完遂
- 25万件超のリアルタイムRF取引を処理し、15以上の外部システムをセキュアAPIゲートウェイで連携
- 258拠点がPower BIでリアルタイム分析を活用し、AI・予測分析に向け4年分の履歴データを移行
- 7,500名超が利用する全日本DMS変革を実現